※このブログでは、英語の"a/an"や"the"、複数形の使い方が全く分からない方。また、英文を読んでいて「なんでこんな所にtheが?」「なんでこれ"a"が付いてないの?」と疑問に思った方に向けて書いています。
一度は聞いたことがあるであろう「冠詞」について今日はお話ししていこうと考えています。
今回の記事は、小泉先生の「英語の複数と冠詞」という本を参考に記事を書いております。
軽く説明をいたしますと、名詞(物の名前など)には『数えられるもの』と『数えられないもの』に分けられますよと。
今から従来の冠詞の教え方をします。
例えば、「犬」はどうでしょうか?
もちろん数えられますよね?1匹、2匹と。
では、「本」はどうですか??
これも数えられます。1冊、2冊ですね。
この『数えられるもの』が1つの時に"a"や"an"が前に付きますよ。
ちなみに、『数えられるもの』は難しい言葉で、「可算名詞」と呼ばれています。
例:I have a dog.(私は1匹の犬を飼っています。)
※aを付けるのかanをつけるのかに関しても、特に決まりはありません。
I have a dog. これは発音しやすいですよね。
I have a apple.これはどうでしょうか?少し言いにくい箇所はありませんか?
a apple ここですね。aが2つ並んでいるところが言いにくいです。
ただ言いにくいから、aではなくてanを使うというだけの話なんです。
(単語の最初の発音が、「アイウエオ」の時はanを使った方が発音しやすいですよ。)
これが、不定冠詞(a/an)と呼ばれるものです。
先ほどまでは、『数えられる物』について話してきました。
それでは"水"はどうでしょうか?
1つ2つと数えられますかね?
ペットボトルに入っていたら、1本2本。
コップに入っていたら、1杯2杯。
浴槽などに入っていたら、1リットル2リットル。
と数えることはできますが、"水"そのものは数えることが出来ませんね。
だから、"水(water)"には不定冠詞(a/an)はつきませんよ。
数えられないものは、「不可算名詞」と呼ばれています。
例:I drink some water every morning.
最後に、定冠詞(the)について。
これは、特定のものを指すときに使いますよ。
日本語で言うと、"その"の部分ですね。
会話でも、いきなり
そのペン取って
と言われても、何本かあるとどのペンかわかりませんよね。
聞き手も話し手も分かっているものに、"the"は付きます。
という風に我々は学校で教えてもらいましたね。
ただ、我々にとっては何が『数えられ』て何が『数えられない』のか。その判断が難しいわけです。
現に、"紙"は日本語では数えられますよね?1枚2枚って。
英語では数えません。
なぜでしょうか?
今回は、日本人はなぜ冠詞が苦手なのか。冠詞の重要性はどんなものなのか。
についてお話ししようと思います。
日本人が冠詞嫌いな理由
大きく3つあるとドミーは考えます。
"数えられるもの"の基準の違い
"数えられる名詞"の事を"加算名詞"と呼ばれています。逆に"数えられない名詞"は"不可算名詞"と呼ばれています。
上記にもあるとおり、日本語では「数えられるやん」とツッコミたくなるものが英語にはたくさんあります。
「水」「紙」「家具」など…
どれが可算名詞で、どれが不可算名詞なのかの見極め方を伝授して参ります。
冠詞をつけない時のイメージがない
可算名詞が1つの時に、a/anはつくんですよー。
と教えられてきましたが、「可算名詞にa/anをつけない」とどうなるのか考えたことはないですか?
そこのイメージを定着すると、一気に理解が深まります。
複数形の考え方
日本語は、複数に疎いです。
例えば、あなたが今朝いくつかいちごを食べたとして、
今日は朝にいちご"たち"を食べました!
とはなかなか言いませんよね。
言ったとしても、
何個かいちごを食べました!
くらいでしょう。
逆に英語は複数形に敏感です。
それは1つなの?何個なの?
と気になってしまいます。
以上がドミーが考える3つの要因です。
それぞれ詳しく説明して参ります。
英語の加算名詞の見分け方
先に結論から申し上げます。
可算名詞は"形"のこと。
不可算名詞は"性質や材質"のこと。
例えば、"本"は1冊2冊と数えることが出来ます。
英語も同じです。
それでは、"本"をバラバラにしてみてください。(想像上でね)
果たして"それ"は本ですか?
もうただの紙切れになってしまっていますよね。
それでは次は、"紙"をバラバラにしてみてください。(もちろん想像上で)
これはどんなに小さくバラバラにしても、"紙"は"紙"ですよね。
なぜかと言うと、"本"は"形"であって、"性質"や"材質"ではないからです。
"形"が1つの時に初めてaやanが付きます。
反対に、"紙"は一見"形"の様ですが、「トイレットペーパー」にも「新聞紙」にも「お札」にもなれますよね。
なので、"形"の様で実は"材質"のイメージが強いのです。
もちろん、"材質や性質"は、1つ2つと数えられないので、aやanは付きません。
ここで1つ質問があります。
Q1.パンは可算名詞(形)ですか?不可算名詞(材質/性質)ですか?
ヒントは、"バラバラ"にしてみてください。
答えは一番下にございます。
冠詞がないとどう伝わるの?
少しややこしい話になります。
実はとんでもないことになってしまいます。
上記にもありましたが、不定冠詞(材質/性質)にはa/anがつきませんでしたね。
つまり、aやanが無いと"材質や性質"の部分を想像してしまいます。
例えば、
I like a cat.(あまり言いませんが…)
と言うと、
あー1匹の猫が好きなんだね。(大量は嫌なのかな…)
と理解してくれますが、
I like cat.と言うと、
猫肉が好きなの?猫皮が好きなの?え?
とプチパニックを起こしてしまう可能性が出てきます。
なぜなら、"a"が付いていないので、"形"ではなく"材質"として受け取ってしまうからですね。
さて問題です。
Q.2あなたは焼き魚を1尾まるまる食べました。次のうちどちらを言うべきでしょう。
A, I ate fish.
B, I ate a fish.
※"ate"は「食べた」です。
答えは一番下にあります。
"不定冠詞"と言われているけど…
ちなみに、"a/an"の事を難しい言葉で、「不定冠詞」と呼ばれています。
名詞が不特定な時に使いますよー
と伝えられていますが、果たして本当にそうでしょうか?
屁理屈の様ですが、
例えば
"I have a girlfriend."「私には彼女がいます。」
と言ったとして、話し手である私は特定できていないとおかしいですよね。
"He has a girlfriend."「彼には彼女がいる。」
この文章も、『話し手である私』と『聞き手』は、どんな「彼女」かは知らない可能性は確かにあります。
しかし、「彼女」と聞いて「熊」を思い浮かべる人はあまりいないですよね。
もっとぶっ飛んで、「ペン」や「紙」を思い浮かべる人なんて本当にいないと思います。
つまり、「彼女」という存在はこういう存在だ!と言う特定は出来ているはずなんです。
そこで必要になってくるのが、「具体性」です。
例えば、
"You need exercise."あなたには運動が必要です。
と言われると、
あ、頑張らなきゃ!
と理解してくれます。
ただ面白いことに、この文章に"不定冠詞"を付けて、
"You need an exercise"
と言うと、
ん?どんな?
と質問が飛んでくるでしょう。
そうなんです。不定冠詞(a/an)を付けると、具体性が必要になってくる場合があるんです。
例:You need an exercise to strengthen your knees.
「あなたは膝を強化する運動が必要です。」
定冠詞theはどんな時に使うの?
そうすると、今まで"特定される"と教えられてきた定冠詞(the)はどんな時に使うの?と疑問に思いますよね。
定冠詞(the)は、「合致」と考えていただきたいのです。
要は、『話し手』と『聞き手』が「せーの、この事!」で同じもの指差すことができる物です。
先ほどの例で言うと、
そのペン取って
といきなり言われたとして、あなたは『話し手』の欲しいペンを間違いなく渡すことはできますか?
もしかしたら、全て渡すかもしれません。すると
いや、違うよ。
そんなに全部持ってこなくてもw
なんて馬鹿にされた暁には、
じゃあどれさ!
と怒りたくなりますよね。
この状態は、『話し手』と『聞き手』が「せーの、この事!」で指させていない状態です。
こんなシチュエーションはどうでしょうか?
その上司はこの会話以前に、ものすごいいいペンを買ったと自慢してきていました。
そこで、
そのペン取って
と言われたらどうでしょうか。
今回は、間違いなく渡せそうですね。
なぜかと言うと、今度は『話し手』と『聞き手』が「せーの、この事!」で指させたからです。
「定冠詞は普通、初めて出てきた単語には使わない。」
と言われているのは、いきなり"それ"と言われてもわかんないでしょ?
ということだったんですね。
もちろん、一般常識でも『話し手』が理解できるだろうと考えれば、theが突然登場することもあります。
例:Leaves float on the water because they are lighter than water.
葉っぱは水に浮く。なぜなら水より軽いからだ。
『聞き手』がわからないときは、「何のこと?」と聞いてくるでしょう。
その他にも、
I don't know how to install a telephone.
電話の設置方法が分からない。
この文章をthe telephoneを使って言うと、
「"その"電話の設置方法が分からない。」
となるので、『聞き手』は「どんな電話よそれ。」と聞いてくるでしょう。
ただ同じtelephoneでも、この使い方は可能です。
The telephone was invented by Bell.
電話はベルによって発明された。
みんなが知ってるあの電話を発明したのはね、ベルって人なんだよ。
ということを言いたいわけですね。
英語の複数形
学校では、
不可算名詞は複数形にはしませんよ。
と教えられます。(少なくとも私ドミーの学校はそうでした。)
最初にも言った通り、名詞には『数えられるもの(可算名詞)』と『数えられないもの(不可算名詞)』があります。
では、この文章をみてください。
Every day jets are flying in the Tokyo skies.
毎日飛行機は東京の空を飛んでいる。
"sky"の部分が複数形になっていますが、果たしてこの文章は間違いなのでしょうか?
Every day jets are flying in the Tokyo sky.
とどう違いがあるのでしょうか?
「sky(空)」はもちろんですが、1つですよね。
今私ドミーが見ている空も、皆様が見ている空も同じはずです。(歌詞っぽいな…)
その空が「skies(空たち?)」となるとどんなイメージが湧きますか?
あまり私は東京には詳しくありませんが、「新宿の空」「品川の空」「六本木の空」など、各地の空をイメージすることができるのがわかりますか?
つまり、「一括りに東京」とみるか、「東京の中でもそれぞれの地域」を意識するか。
の違いが出てきますね。
つまり、
Every day jets are flying in the Tokyo skies.
Every day jets are flying in the Tokyo sky.
これはどちらも正解という訳ですね。
もう1つ例文を出しましょう。
He was happy to be flying in European sky.
He was happy to be flying in European skies.
どちらの訳も、「彼はヨーロッパの空を飛ぶことができて幸せだった」となります。
ただ「skies」の方がより鮮明に
フランスやイタリヤ、ドイツなどの空を飛んできたんだなぁ。
と感じることができれば、あなたはもう英語で遊ぶことができます。
まとめ
言語には正解がございません。
そこに我々は大人が作った正解に縛られるように義務教育を受けてきました。
だからこそややこしく感じることも多々あります。
しかし、常に100%正解なんてものは地球上誰1人としてできないと私は考えています。
そこにこだわりを持つのではなく、日々少しずつ成長していく自分を楽しんでください。
言語は楽しんでこそ上達するものだと感じます。
Q1の答え:パンは不可算名詞です。
バラバラにしても、パンはパンですよね。
パンを材料にして、何か料理を作ることも多くあるので、"材質"のイメージが強いと言うことです。
Q2の答え:I ate a fish.
"a"がつく事によって、"形"を想像することができましたね。
この一文を聞いた、『聞き手』は、
頭から尻尾まで食べたのか…
と、理解してくれます。
(ちなみに、魚の頭を食べる国はなかなか珍しいらしい…)
逆に"I ate fish."と言うとどんなイメージができますか?
"a"がついていないので、"材質"として利用された魚を食べた。
つまり、
魚料理を食べたんだね!
と解釈すると言う訳です。